佐倉市中志津で週に数回行われている地域清掃活動に、市内在住の田村さん(42)が初めて参加した。田村さんは数年前に佐倉へ移住。リモートワーク中心の生活で、地域との接点が少なかったという。「仕事以外で人と話す機会がほとんどなくて。この町に住んでいる実感が薄いまま、時間だけが過ぎていました」そんな中、散歩中に見かけた高齢の女性が、一人で落ち葉を拾っている姿が気になっていた。「いつか自分も参加してみたい」そう思いながらも、なかなか一歩が踏み出せなかったという。
初参加の日、迎えてくれたのは“ゆっくりでいいよ”の声
参加当日、集合場所に着くと、以前見かけた女性が笑顔で声をかけてくれた。「初めて?ゆっくりでいいよ。落ち葉も拾うと気持ちがいいんだよ」田村さんは、トングを手に落ち葉を拾いながら、「思っていたよりも気負わずにできる」と感じたという。
小学生の“ありがとう”が心に残った
活動の途中、近くの小学生が駆け寄ってきて、「いつもありがとう」と声をかけてくれた。田村さんは驚いた様子でこう話す。「初めて参加したのに、“いつも”って言われて。でも、その言葉がすごく温かくて…。この町に、自分の居場所のようなものがあるのかもしれないと思いました」
“義務”ではなく“気持ちが整う時間”に
田村さんは今後も、無理のない範囲で活動に参加したいと話す。「毎週じゃなくても、気が向いたときに来られたらいい。ここに来ると、気持ちが整うんです」最近は、拾った落ち葉をそっと道の端に寄せるのがちょっとした楽しみになっているという。
地域活動がつくる“ささやかなつながり”
地域清掃は、大きなイベントではない。派手な成果があるわけでもない。しかし、田村さんのように「小さな行動を通じて、町との距離が縮まる人」が確かにいる。地域の中で生まれる、ささやかな“ありがとう”や“気づき”が、人と町をゆっくりと結びつけていく。